出産
はじまり
2004年5月16日が予定日。前日の5月15日は一日中茶色い少量の出血が続き、心配だったので夜の9時ごろ病院へ。
診察後、先生からは出産までは、まだまだかかりそうだねと言われて、そのまま家に帰った。そして予定日夜の12時を回ったとき、真っ赤な出血が!!
2時間前に家に帰ってきたばかりだし、とりあえず寝て明日病院へ行こう。ということになったのですが、ベットに入っても
なぜか興奮して眠れない。そういえばおなかもしくしく痛い。眠れないので剛さんに電話して、おなかが”あ。いたたた”となるたびに、
電話をきってしまう。結局なかなか眠れず、朝になってしまい、痛みもすっかりひいてしまった。夕べの痛みは
なんだったんだろう??
とにかく、出血も続いているし、母に病院へ連れて行ってもらった。母が、病院の入り口で、”りえほらツバメがいるよ”
見上げると、ほんとツバメが一羽じっと巣の中で卵を暖めている様子。ちょっぴり気分も落ち着いた。
入院まで
診察室に入ったら、昨日とは違う先生。
この先生も何回か診察受けたことはあるから、顔を見たらちょっと安心。
”おしるしですね。でも出産まではまだですねー。早くて今晩かな??”
まだなのかー。ちょっとがっかり。おなかももうパンパンではちきれそうです。帰りの車の中で夕べの痛みがおそってきた。時間をはかってみると
15分おき。母はかなり心配になっている。家に到着してとりあえず、昼寝しなきゃと思い、横になったけど、
横になっている方が痛い。あまりにも私が痛がっているから弟も、”病院に行った方がいいんじやないか?”と言った。午後5時。痛みは10分おきになったので病院へ電話。
今夜の担当の助産婦さんが出て”すぐに来てもいいですけど
、夜ご飯を食べてお風呂に入ってからのほうがいいですよ。”といわれたので、とりあえず夕食を食べた。結局このあと、
丸1日ご飯は食べれなかったから、食べておいてよかった。
夕食を食べている間も、痛みが襲ってきた。痛い間は、とてもじゃないけど、何も食べられない。痛みがなくなっている間に急いで食べた。
お風呂に入ると、痛みがかなり和らいだ。この日はずいぶんむしむししていたので、思い切って、お風呂に入ってよかったー。
病院へ行く準備はOK。再び母に車で送ってもらう。車に乗っている途中も痛みが襲ってくる。やっと病院に到着。夜の10時だ。
診察室に入ると、朝と同じ先生。産科の先生って大変ねー。と考えながら、内診を受ける。”子宮口3cm。はい入院ね。”
いよいよ入院だ。
22時から3時
病院支給の青いパジャマに着替え、外で待つ母に会いに行く。話をしている間も、陣痛がくる。肛門のほうまで
痛くなってきた。母と別れて、回復室というところに通された。陣痛に耐えている妊婦は私一人。助産婦さんにおなかと背中をさすってもらうとすごく楽
になった。どんどん陣痛の間隔が狭まってくる。いきむのをがまんするのがつらい。夜12時になり、剛さんが来てくれた。母とバトンタッチ。
助産婦さんは
”順調に陣痛が来ているので、ひょっとしたら、夜の3時には産まれるかもしれません”と説明をしている声が聞こえてきた。
内心”ヤッター!あと3時間で終わる!”かなりうれしくなった。剛さんも、陣痛が来るたびに、助産婦さんに教わったとおりにずーと、お腹をさすってくれた。
夜中の3時。”まだ分娩室に行かないのかなぁ。”陣痛に耐えながら、まだかまだかと思っていたら、助産婦さんに、”子宮口5cmです。もうちょっとかかりそうですね。”
そんなぁーまだなのぉ。でももうちょっとなんだね。
3時から8時
朝の5時。外が明るくなっているのがわかる。さっきからもう2時間たっているよ。まだなの??”子宮口のサイズはあまりかわりませんね。ゆっくり時間をかけてでてくる子もいるんですよ。”ゆっくり出てこなくていいから、
早く出てきてーー。でもこれ以上の痛みには耐えられない!!
朝の6時。子宮口はなかなか広がらない。婦長さんに”もう耐えられない?”と聞かれ、”はい”とすぐ返事。すぐに先生がやってきて、
陣痛促進剤の説明を受けた。”陣痛が弱くなってきていますので、陣痛促進剤を使いたいと思います。使うにはレントゲンを撮って、赤ちゃんの頭が骨盤にちゃんと
通るか確認します。もし赤ちゃんの頭のほうが、骨盤より大きい場合、帝王切開になります。”薬を使う同意書にサインする。
その間も5分おきくらいに陣痛がおそってくる。そのあとに助産婦さんが朝ごはんを運んでくれたが、なにも食べることができない。
剛さんは、電話をしに外へ出て行った。立会い出産ではなかったので、これ以降は部屋に入れてもらえなかったらしい。
レントゲン室に行く前に、先生がやってきて、”破水させます。そうすれば、お産が進むからね。”破水させる??
いきむのをがまんしなきゃいけないのと、痛みとで破水するまでぎゃあぎゃあ叫んでた。
8時から12時
このあとは、レントゲン室に車椅子で移動。いきみのがしのボールももって車椅子で移動する。移動しているあいだも陣痛はくる。さっきより痛みが強くなってゆく。
レントゲン室に到着。陣痛はどんどんくるから、レントゲン室の台の上で、えびぞりになる。痛いから、じっとしてられない。指示された体制
ができない。レントゲンを撮り終わると、車椅子で部屋に戻った。助産婦さんの交代。妊婦検診で何回か会ったことの
ある助産婦さんだった。陣痛の痛みはどんどん強くなり、間隔も短くなってゆく。助産婦さんが”破水させたたのでお産は進んできたようですね”
促進剤は使わないのかぁ。助産婦さんがベットから少しはなれるだけでも、行かないでくださいー。と叫んでいた。何も食べていないから、
胃もしくしく痛くなっていた。昼12時”子宮口 10cm になりました。分娩室へいきましょう。”やったー分娩室に入れる。”分娩室に入ったら、
もう少し、赤ちゃんが降りてくるまで、いきむのを我慢してくださいね。”まだ我慢しなきゃいけないの??
12時から3時
分娩台に乗って、しばらくすると、
また陣痛の間隔が開いてきた。助産婦さんが、道尿をしたら、尿の色は番茶の色をしていた。そういえば夕べの12時くらいから、トイレに
行ってない。というか行きたい間隔が麻痺している。道尿をしたら、陣痛の間隔も短くなってきた。もう時計を見る余裕もない。しばらく
するとまた陣痛の間隔はあいてきた。赤ちゃんの心音も弱ってきた。”もう出産準備をしてもいいんじゃないか?”先生が指示を出す。
促進剤を流すのと同時に出産の準備がされた。”もういきんでいいんですか?””いいよ”やったーやっといきめる!いつのまにか赤ちゃんの心音も回復。いざいきむと、陣痛とのタイミングが合わない。
助産婦さんにタイミングを指示してもらう。”赤ちゃんの髪の毛が見えてますよ。がんぱってねー。”何回いきんだだろうか?先生が”これで最後にしますからね。”
もうすぐほんとにもうすぐだ。最後のいきみで、先生がおなかを押していた。おなかの山がどんどん小さくなる。小さくなってゆくのが見える
から、がんばれる。
誕生
つるんと出る感覚。メェとひと泣きして、げぇと羊水を出されてから、もう一度メェ。やった!やった!やっと出てきた。
”15時20分。男の子ですよー。”目の前につれて来られた赤ちゃんは、ほんとに赤かった。ピンク色に近いかな??よかった酸素がゆきわたって
いたんだ。生まれてすぐに母が見にきた。そのあと剛さんが見に来た。赤ちゃんは私の右横におかれ、周りを不思議そうに見ていた。一緒に
最後までがんばったね。赤ちゃん。やっと会えたね。
剛さんの顔を見ると、大きな大きなにきびができていた。剛さんも大変な思いをして、一晩中待っていてくれたんだね。終わったはずなのに、おしりが異常に痛い。
一晩たって分かったが、膣の中で内出血していた。翌朝そのための処置も痛かった。
出産が終わってからも大変だったけど、赤ちゃんが無事に生まれて、出産の日は、とってもとっても幸せな1日でした。
